上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
耳が丸くなり、大きな牙が生え、爪が鋭く伸びる。
「もう、新商品を勝手に使って……」
クルミの全身から黒いボリュームのある獣毛が生えてくる。手の平には大きな肉球が形成されていた。
「グルルルル……ガアアァァァ――!」
クルミはすっかりなりきっている。しかし、どうもフルトランスはしない様子だ。
クルミの着ていた服が悲鳴を上げる。しかし、それをわかった上でクルミは力みながら獣化する。メキメキと音が聞こえそうだ。
「んがあああぁぁぁー」
声を荒げているが、ロリっ子の声。違和感がある。クルミが着ている服にヒビが入った。
「毎度、毎度、獣化するたびに服を破ってこの子は……お金持って感覚がわからないわ……」
サラはポツリと呟いた。
「グガアァァァ――――!!!!」
クルミは思いっきり叫んで体を仰け反らす。細い体がすっかり太くなり、着ていた服がビリビリに破れた。
「ハァ……ハァ……ガルルル」
クルミはクマにハーフトランスした。二本足で立てるのに四つん這いになり、野獣のように呼吸をする。しかし、ロリ声。これは完全に親の育て方が間違ったのではないかと問いただしたくなる。クルミは大人しくしていればアイドルだって目指せそうなのに。
「!?」
しかし、クルミの心配ばかりしている場合じゃない。サラはクルミによって何かの変身薬を打たれたのだ。
「私は……ハァ……何になるの……」
この店舗にある動物なら全部変身したことがある。しかし、クルミが勝手に使ったように、新商品なら何に変身するかはわからない。
「熱い……」
体が火照ってくる。汗がじわじわと滲んでくる。
「あぁぁん……」
ピクピクと耳が長細くなり始めた。胸のあたりから白い獣毛がもこもこと生えてくる。
「うーん……何に変身するか認知していないと、上手くコントロールできない」
獣化の流れに従い、サラの体は少しずつ変身していく。
「えぇ? 角?」
額の辺りが盛り上がる感覚があった。メリメリと皮膚が隆起し、固くなっていく。手を見ると、爪が大きくなり、指が癒合し始めた。
「蹄系の動物か! それじゃあ、早く服を脱がなきゃ! ヤバイヤバイ!」
サラは焦って、服を脱ぎ始めた。クルミのように服を破りたくは無い。クルミは帰りの服はどうするつもりなのだろうか?
「ガルルル……クルミも……仲間に入ー~れてっ」
着ている服をビリビリに引き裂いてクマにTFしたクルミは四足ですでに変身している一同の方に駆けて行った。ハーフなのに、本物のクマと見間違うくらい見事な四足歩行である。
「あぁ……行っちゃった……んん! うわぁぁ、上手く変身がコントロールできないから、上手く脱げないよ」
靴と靴下、ショーツとズボンは急いで脱いだ。なので、下半身は獣化しても特に問題ないと思う。しかし、手の蹄化が予想以上に早く、上の服のボタンが外しにくい。
「んくぅっ!」
お尻の方から肉が盛り上がる感覚があった。しっぽが生えたらしい。しかし、力を入れてもそれほど動かないので、しっぽの短い動物だ。
「あぁぁ、ちょっと、鼻先はまだ……マズルは……脱ぎにくくなるから……伸びないでほしいのに……」
しかし、サラは獣化の指向性を上手くコントロールできず、グイグイと鼻先が突き出ていく……
「何となくわかったわ……これんわ……ドールシープんめぇぇ……」
一度変身したことがある動物だった。しかし、声帯が変化している模様。ヒトの言葉を上手く話せなくなってきた。
「くぅぅ……あふぅ……んめぇぇ……ブラがもう外れなめぇぇぇー」
上着は脱ぐことができた。しかし、もう手が完全に蹄と化し、ブラジャーを外すのは間に合わなかった。はぁはぁと息を整えながら、骨格の変化に耐えきれず、サラはその場に四つん這いになった。
「フルトランスは……あんまり慣れて……んめぇぇぇー」
内から生える獣毛にブラジャーが壊れる。四つ足になったサラを謳うかのようにもこもこと白い毛が全身を覆う。角はもうりっぱにまっすぐ伸びていた。
「はぅぅぅんめぇぇぇー」
もうドールシープの鳴き声しか出なくなった。一度完全に変身し切ると、コントロールさえ上手くいけば、ヒトと動物の間を行ったり来たりできる。しかし、フルトランスはハーフトランス以上にコントロールが難しい。
サラの変身が終わると、プレイルームにヒトの姿は完全に消えた。獣人と動物が入り乱れている。