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生死聖外17

「はぁ……はぁ……結構……出てきまし……たね……」
 カリンは四つん這いになっていきんでいる。
「そうだね。もう少しでその犬と分離できる。がんばるんだ、カリンちゃん!」
「はぁはぁはぁ……んぎいいいぃぃぃぃ」
 カリンは今、融合してしまった♂犬との分離を試みていた。
 カリンに犬を放出する強いイメージをしてもらい、体に力を入れてもらう。
 そこに、特殊な電気を流し、細胞と細胞の癒着を緩和させるのだ。
 今、カリンは全身に電極が付けられ、お腹側から犬の顔が見え始めていた。
 不思議なことに、出てきた犬は犬で呼吸している。
 完全にカリンに吸収されたわけではなく、やはり〝混ざり合って〟いたというのが正しい。
「これは驚いたよ。どうも、カリンちゃんが♂犬と融合してしまった原因は、カリンちゃんの第三遺伝子が

変質しているようだ」
「はぁはぁ……え……?」
「君達の体にある第三遺伝子は、言わば、通常の地球上の生命とは異なる構造で成り立っている。君らの祖

先は何らかの出来事で、シャドーバイオスフィアの異質生命体を取り込んだんだ、ミトコンドリアや葉緑体

のようにね。しかし、これまではジャンクとして活用されずに眠っていたものと思われるが、動物変身薬で

全身の細胞を別のものに変わる体験をした時、目覚めてしまった。そして、カリンちゃんには融合する能力

が備わってしまったのだろう。しかし、コノハちゃんに見られるように、本来休眠したまま次世代に引き継

がれる第三遺伝子を活発化させてしまうと、癌化してしまう。癌とは細胞分裂の暴走だ」
 店長が何やら難しい話を始めた。
 カリンははぁはぁと息を切らしながら、耳を傾ける。
「あくまで推測だけど、カリンちゃん・テンリちゃんはコノハちゃんの癌が暴走した時、太歳と融合して、

太歳に癌細胞を移した。第三遺伝子を持つ三人が融合した状態で癌細胞に触れてしまったことにより、これ

まで起こらなかった第三遺伝子の〝組み換え〟が起きてしまった可能性がある」
「はぁ……はぁ……組み換え……」
「要するに、三人の持つそれぞれの第三遺伝子の一部が入れ替わってしまったんだ。そうなると、コノハち

ゃんのコピー能力、テンリちゃんの人を変える能力、そして、カリンちゃんの融合する能力それぞれが変化

してしまったことが考えられる。現にカリンちゃんは、雌の生物としか融合できなかったのに、雄まで融合

できるようになってしまった」
「はぁ……あぎぃぃぃんん……それじゃあ……コノハやテンリも能力が変化したんですか?」
「うん。その可能性は十分にある。一応、本人たちにはそれを伝えておいたけど、具体的な症状が一度発現

しない限りは、こちらもどうなったのかはわからないけどね。でもまあ、それは二人にとっても未知だから

、発現しない方がいいと思う」
「んああああああっ……あ、前足、出てきた」
 カリンのお腹から徐々に融合した犬の体が現れる。
 かなりホラーな状況であるが、店長は慣れているのか、顔色一つ変えずに話を続けた。
「まあ、僕個人としては非常に興味があるところではあるけどね。得に、カリンちゃんのオスの融合化は、

これまで謎だった、♂⇔♀の変化ができない理由を解く鍵になる。でも今はまず、犬と分離することが優先だね。カリンちゃんも、コノハちゃんらと会いたいだろうし」
「せや、コノハに会いたいわ……」
「しかし、まさか、融合した状態で射精ができるとは驚いたよ。ははは」
「わ、笑わんといてください。何か気持ち良くなっちゃったから……///// 男の人の感じがわかりました」
「ははは。それは貴重な体験ができたね」
 カリンのお腹から犬の後ろ足も出てきた。
 最初はテンパったが、要はこれまで融合してきた感じと要領は同じだ。
 ただ、オスは初めてなので、体がビックリしている感もあり、分離も遅い。
 しかし、もうだいたいコツは掴めた。
 今は特殊な電気で分離しやすいように促されているが、いずれは、カリンの意思で融合をコントロールできるようになるだろう……

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