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ケモッ娘変身譚その9-61

 各自で四苦八苦しながら全員、服を脱ぎ終えた。
「少し時間かかったが……まぁ、これで研修を始められる体制が整ったな」
 店長は全員を見まわして言った。
 女性陣はレイラを除いて、体全体が獣毛に覆われているので、ヒトの♀特有の体のラインは凸凹あるものの、あまり裸であるようには見えない。しかし、レイラは獣毛の短いアシカに変身しているので、三人より、性的部位が際立って見える。レイラは秘所の毛を剃らない派のようで、その部分がヒトの名残を残していて、剃っていないよりもかえって艶めかしい。
 男性陣は全員、獣毛に覆われて、基本もこもこしているものの、よく見ると、股間の辺りがビクビクと小刻みに動いているのがわかる。女だった、変身過程でもイクことがあるが、男はイクところまではいかないらしい。しかし、フル勃起状態がずっと続いている。
「それじゃあ、男性陣の接待の研修ということで、まずはキスから始めようか。ペア同士で、男性陣が女性陣をリードして」
 研修ってやっぱりそういうものか……コノハは変身して何を研修するのだろうと思っていたが、やはりエッチなことをするらしい。これはカリンが見ものだなと、ちょっとワルく思ってみたり。
「それじゃあ、リードするよ」
「え?」
 コノハがあれこれ考えているうちに、パンダのコノハの顔の前にヒツジのエツジが鼻先を突いてきた。もこもこ黒ヒツジ。ヒトと動物の中間の顔立ち。何だかドキッとした。
「んくっ……」
 ケモノ同士のマズルが絡み合う。鼻先をペロっとされるとくすぐったい。
「舌……出して」
「はぃ……」
 鼻先に優しくキスをしてから、エツジは顔を傾けて、本格的にキスを始める。ケモノ顔になった二人は人間の時以上にマズルが突き出ているため、口を合わすが難しい。コノハがちょろっと舌を出すと、エツジがマズル全体で覆ってくる。体が寄せ合うと、ヒツジのもこもこ感を感じる。もこもこしたものにここまで近づいたことがなかったので、不思議な感じがした。
 エツジがちょっと後退すると、お互いの口先からヨダレがつーっと垂れた。エツジがニコッと微笑む。コノハもそれに応じてはにかんだが、何だかこの人はすごいという雰囲気を感じ取っていた。

「///////」
「///////」
 カンガルーのカリンとネズミのユウのペアはお互いに恥ずかしがって俯いているだけ。
「こらっ! ユウ! ちゃんとリードしないと!」
「は、はぃ……」
 店長に怒られたユウはカリンと向かい合う。カンガルー姿の女の子。そして自分はネズミに変身している。獣化に興味があったからといっても、まさか、こんなことになるとは全く予想をしていなかった。
「あ、あの……キ、キキ、キス……」
「えっ、あ、うん……」
 ネズミ顔のユウがカリンに話しかけてくる。相手が女の子だったら、そこまでは恥ずかしくないが、オトコの娘とわかった瞬間、カリンはものすごく恥ずかしくなってきた。しかし、ユウはどうしても女の子っぽく見える。
 カリンは妙に意識してもじもじしてしまう。これまで男の子とキスなんかしたことない。カリンがもじもじするのを見ると、何だかユウも恥ずかしくなってきて、つい、同じようにもじもじしてしまう。自然としっぽが股を通して内側に入れてしまう。
「うーん、まぁ、聞いた話じゃあ、初めてらしいから、ここはとりあえず様子見でいくとするか」
 店長はユウとカリンの様子を見て腕組をした。

「それじゃあ、キスするぞ」
「いいけど、何かイマイチ雰囲気が……」
「え?」
 アシカのレイラとサルのキョウが向かい合う。キョウはレイラにキスしようとしたが、レイラは微妙そうな顔をした。
「そんなことを言われてもなぁ」
 キョウはゴリゴリと頭を掻く。
「いや、いいんだけど……いや、でも何かお兄さんが相手だとイマイチ雰囲気が良くない……」
 レイラはどこか納得がいかないようだ。
「まぁ、細かいことは気にするな!」
「!?」
 キョウは強引にレイラの体を引き、キスをした。
「ん? あれ? ああ、そうか、マズルが突き出ているから普通にキスをしても口にはいかないのか」
 レイラの鼻先がキョウの口付けで湿る。
「うぅ……唾臭い……」
 レイラはヒレ化した片手で鼻先を拭く。
「すまん、すまん。今度は大丈夫だ」
「え? ちょ、ちょっと――」
 筋肉質であるキョウに引っ張られてはレイラはどうすることもできない。されるがままに二匹でキスをする。強引にキスをされて、レイラは息ができない。バンバンとヒレでキョウの背中を叩く。しかし、キョウは気付いていない模様。レイラはキョウから離れようとするが、キョウは強引に抱き合ったままで離れられない!
「んもぅー!」
 レイラはキョウのしっぽを両ヒレで思いっきり挟んだ。
「!!?」
 キョウはしっぽを立ててビックリして、レイラから離れた。
「イッテェー、な、なんだよ」
「はぁ……はぁ……それはこっちのセリフよ! そんな力入れてキスして、窒息死しちゃうじゃない」
 レイラは肩を上下させて思いっきり息を吸った。
「そうだぞ、キョウ。最初は優しく、だ。お客さんが強引なものがいいのかどうかは聞いてみないとわからない」
「はい……」
 二人はちょっと微妙な関係になった。

「いぐでぇぁー」
「う、うん……」
 アリクイのリーとチーターのテンリ。リーは少しさっきよりヒトの言葉を発音できるようになったみたいだ。しかし、アリクイとのキスってどうやればいいのかと戸惑いが生じてしまう。自分が口を開ければ確実にリーのマズルを食べてしまう図になってしまう。
「とりあえず、口先だけを合わせようか……」
 テンリがそんなことを呟いていると、リーが両腕を爪でそっと掴み、しゅるしゅると出入りする細長い舌でマズルを舐めてきた。
「ひゃぁっ!」
 これはくすぐったい。しかし、何と言う早い舌の動きのことか。リーは喜んでいる犬が舐めまわすみたいに、高速で舌を動かす。テンリは少し口を開けて舌を出した。すると、すかさずリーは舌を伸ばしてくる。大きさの違う舌が絡み合う。リーの方が舌を動かす自由度が高いため、テンリの舌の上を這うような形になる。
「あぅ」
 高速で動かされる舌にビクッと肩を震わせてしまう。これは今まで感じたことの無い感覚。くすぐったいのと気持ちいい感覚が混ざり合う。
「よしよし」
 店長はチラッと時計を見た。

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