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ケモッ娘変身譚その9-56

「それじゃあ、ペア同士近くにー」
 店長の指示で、男女ペアになる。初めて会う異性なので、お互いに少し恥ずかしい。しかし、相手はお互いケモノ。不思議な感じがする。
「ボク……本当に動物に……」
 ユウが目を白黒させている。自分がネズミに変身したことがまだ信じられていないようだった。コノハはそんなユウが男の子側のクジを引いたことに疑問を持っていた。
「うわぁー、アシカのハーフって、すっごい歩きにくいぃー」
 レイラは肥大化した足で立って歩きにくそうだった。
「僕も二足歩行は難しいなぁ」
 エツジが蹄になった足で器用に立っている。
「ぐおぅ……むごぉ……あ゛ーあ゛ー」
 アリクイになったリーは口が小さいためか、しゃべりにくそうだ。
 全員がケモノになった自分の体を思い思いに動かし、周りの人……いや、ケモノと見比べている。
「店長~、アシカって、水に浸かっていなきゃダメとかないの?」
「それはない。あー、でも……ちょっと待ってて」
 店長はレイラにそう言って部屋を出て行った。

「コノハぁー!! もふもふしてええ? ええよな? もふもふさせろやー!!」
 カリンが唐突にそう言いながらコノハに抱き付いてきた。
「うわっ、来んといて!」
 コノハはカンガルーのバネを利用してジャンプしてきたカリンの跳躍を紙一重で避けた。
「ぐふぅ」
 カリンはコノハが避けたのでそのままコノハの横を通り過ぎ、その先にいたもこもこしているエツジに抱き付く形になった。
「おやおや、元気な子だね」
 黒ヒツジのエツジが微笑む。
「あぁっ、すんません! あっでももふもふ……」
「あはは、面白いね、カリンちゃんは」
 エツジがそう言って、突っ込んできたカリンを体から引き離そうとした瞬間、カリンがすごい勢いで後退した。
「あ……あぁ……/////」
 カリンは見てしまった。白いもこもこしたヒツジの毛の奥に、ギンギンと張った黒いイチモツを。これ以上限界はないというくらい勃起していた。カリンは赤面しながら、こそこそと近くにいたテンリの後ろに隠れる。
「な、なんや、カリン?」
「うち……うち……」
 心の準備ができていないままに男のナニを見てしまったカリンは一人で恥ずかしがっていた。
 その様子を見て、エツジは少し困った顔をしながら言った。
「起ってしまうのは仕方ないんだよ。女の子が獣化中に潮を吹いてしまうのと同じように、男性の場合は起ってしまうんだ」
 この説明でカリンが恥ずかしがっている理由が周りの人にはわかった。
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